DIY家具や店舗什器の製作に欠かせない素材の基礎知識について
解説したいと思います。
こんな人におすすめの記事です。
- 簡単に「パーティクルボード」について学びたい
- 「パーティクルボード」どんな用途があるか知りたい。
DIY家具や店舗什器に使われる木質基材(台板)の代表格として、
合板、集成材、パーティクルボード、MDF 等があります。
DIY家具や店舗什器の製作には、これら木質基材(台板)の表面にシートや薄い板などを貼って
見た目を美しく加工した 化粧板(化粧合板)を使用することが多いです。
今回は、木質基材(台板)の中で、パーティクルボードの基礎知識 を記載します。
パーティクルボードとは
パーティクルボードとは、木材の小さなチップを細かくフレーク状に削って小片にし、
メラミン樹脂やフェノール樹脂などの接着剤を用いて、木材チップを加熱圧縮した板のことです。
パーティクルとは英語で「particle」といい、「小片・細片・粒子」という意味です。
「パーチクルボード」「削片板」「チップボード」とも呼ばれています。
また、小片のサイズが大きいものでOSBと呼ばれる木板もあります。
OSBとは
OSB(オーエスビー)は、パーティクルボードの仲間で「OSBボード」「OSB合板」などとも呼ばれています。
OSB合板とは、「Oriented Strand Bord」の略。和訳すると「配向性ストランドボード」といいます。配向性というのは、強度を高めるために小片の向きを計算して配置(配向)してあるという意味です。
簡単に説明するとOSB合板は短冊状の木片をプレスして、接着剤で固めたもので、
この作り方だと木片に無駄がなく、ゴミがあまり出ないので環境にとても優しいのです。
OSB合板は、その見た目からしてもおしゃれで、単体でもインテリア的存在感があります。
床や壁などの内装材や、家具・什器の製作にも多く利用されています。
パーティクルボードの規格
パーティクルボードは、JIS規格において大きく4つの種類に区分されます。
種類
- 素地パーティクルボード
- 単板張りパーティクルボード
- 化粧パーティクルボード
- 構造用パーティクルボード
両面が素地の状態の素地パーティクルボードを基本として、
素地パーティクルボードの両面に単板を張った板を単板張りパーティクルボード、
素地パーティクルボードの両面又は片面に化粧単板を接着したものを化粧パーティクルボード
また素地パーティクルボードと同様に両面が素地の状態の構造用パーティクルボードと区分されます。
ちなみに、OSBは素地パーティクルボードに分類されます。
品質
パーティクルボードの品質は、JIS(日本工業規格)に基づいて決められています。
曲がりに対する強さやシックハウス症候群の原因であるホルムアルデヒド放散量など、
5つの項目で分類。
各用途に合わせて、最適なパーティクルボードが利用できるようになっています。
ホルムアルデヒド放散等級は高い順から、F☆☆☆☆、F☆☆☆、F☆☆となり、これはJAS規格(日本農林規格)と共通基準となっています。
このホルムアルデヒド放散等級は、木質基材に使用する接着剤の化学物質が発散する有害なガス(ホルムアルデヒド)がシックハウス症候群の原因物質の1つとして大きな問題となったことを背景に、2003年に建築基準法で規制されるようになりました。
今では家具や什器の製作には、ホルムアルデヒド放散等級が、F☆☆☆☆(フォースター)を使用することが常識となっています。
サイズ
昔はパーティクルボードの標準サイズはJIS規格にて、910mm×1,820mm 1,210mm×2,420mmなど
何種類かに規定されていましたが、改定により任意の組合せが可能となる範囲表記となりました。
改定によって以前よりも多様なサイズのパーティクルボードの流通が可能となりましたが、
多く流通していて、家具や什器の製作に多く利用されるのは、
サブロクと呼ばれる900mm×1,800mmや、
シハチと呼ばれる1,200mm×2,400mmなどのサイズとなります。
パーティクルボードの特徴
メリット
- 廃材を利用している点でエコで安価
- 材質が均一なので、品質や厚みにムラが少ない。
- 厚さ・大きさを自由に決めて加工できる
- 遮音性・断熱性が高い
小さな木くずをあつめてくっつけたパーティクルボードは、
その量を調節すれば厚さ・大きさを自由自在に変えられます。
安価で資源リサイクル性に優れ、地球環境に優しい木質基材と言えます。
デメリット
- 水・湿気に弱い
- ほかの木材とくらべて強度が低い
- くぎ・ねじの効きが弱い
- 長期荷重でたわみが出る
高湿度で劣化しやすいので、湿気の溜まりやすい場所、水回りでの使用には注意が必要となります。
パーティクルボードの用途
パーティクルボードは、無垢材などに比べて加工しやすく安価なことで、大量生産の組立家具に化粧材を貼った化粧パーティクルボードが利用されます。
また、遮音性や断熱性が高く、下地材や化粧材のベースをはじめスピーカーなどの材料にも用いられています。
パーティクルボードの特徴とまとめ
- パーティクルボードは木質基材のひとつ
- パーティクルボードは木材チップを加熱圧縮した板のこと
- パーティクルボードは安価で資源リサイクル性に優れ、地球環境に優しい木質基材
パーティクルボードは様々な家具に利用されている身近な素材です。
今回の「パーティクルボード」の基礎知識。DIY家具や店舗什器の製作にお役立ちいただけたら幸いです。
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